• テキストサイズ

うたの☆プリンスさまっ♪【一十木音也】裏夢短篇集

第1章 affettuoso(アフェットゥオーゾ)


こうして手にしてる所を見つかるとバツが悪いのは何でだろ?

「えっ?これ?」

「はい、メモ…じゃないですよね?」

どう考えてもメモじゃないし。
これ見つけた事でメモの事とか、どっか飛んでたよ、俺。

俺の手の中のそれが気になる様子の君だけど。
やっぱりいつもと違う。
微妙に距離を感じる。

「知りたい?」

訊ねた俺の言葉にコクリと頷く君だけど、やっぱり距離は縮まらない。

「あのさ…俺、これも探してたんだ」

「えっ?」

「その…メモよりも先に、実はこっちを探してたんだ。さっきキスしながら」

床に散らかしたバックの中身なんかそのままに、立ち上がった俺はそのままベッドに腰を降ろす。

「キスしながら、探しものしてたの?」

「別に片手間にキスしてた訳じゃないよ?」
クスリと笑った俺は、自分の隣をポンポンと手で叩いて。

「おいで」

ってを呼んでみる。
いつもはニコニコと隣に来てくれる君なのに、今日は僅かに躊躇うんだ。
やっぱ、さっきのアレがマズかったよな?

「ねぇ、教えて欲しいんでしょ?さっきのアレが何か」

そう訊ねながらも、手にしていたゴムはそそくさとポケットに隠してしまうと。

「あっ、音也くん、ズルイ」
/ 14ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp