第1章 最後の手紙~The Last Letter~ 原田左之助
着いた矢先、俺は近くの看護婦に朔のことを聞いた。
まだ手術をしているらしい。
とにかく、場所を教えてもらい向かった。
朔が手術を受けている病室前には
長椅子に項垂れている人物。
「…おばさん…。」
「さ、左之助君!が、学校はどうしたんだい!?」
「…抜けてきた…それより朔は…。」
「まだ手術受けてるよ…中々ランプが消えないんだよ…。」
「そうか…。」
俺はおばさんの隣へ腰かけた。
朔には母親しか居ない。
父親は、朔がまだ五歳の頃に亡くなった。
俺は、おじさんと約束した
朔は俺が守ると…。
なのに…。
長く感じた時間、ランプが消えて朔を乗せたカートと共に、先生が現れた。
「先生、朔は…朔はどうなりましたか!?」
「手は尽くしました、しかし……状態が芳しくなく…今夜が峠かと…。」
「そ…そん…な…」