第4章 さよなら、そしていつかまた 沖田総司
「わたし…沖田さんのこと…お慕いしております…あの時助けてくださった時から…これまでも…ずっと…。」
「え…?え、いやでもあの時…だったら何でさよならなんて…。」
「…わたし…あの時はもう…余命幾ばくも無かったんです…。」
…初耳だった。彼女は、病に侵されていたのだ。
それなのに、僕は…勝手にムカついて冷たい言葉であんな…。
「ごめん…僕、そんなこと知らなくて…君に酷いこと…。」
「良いんです、わたしだって病気のこと、沖田さんに言わなかったんですから…おあいこです。」
それでも、僕が言った言葉で君が傷ついた事実は変わらないよ…。
「ごめんね…ほんとに。」
抱きしめた君は、以前抱きしめた時と何も変わらなくて。
強いていうなら…それまで無かった背中への感触。
初めて君が抱きしめ返してくれた。
「生まれ変わってくれて、ありがとう…大好きだよ。」
「わたしもです…これからも、支えさせて下さいね…総司、さん?」
大好きな彼女が、僕の名を呼んでくれた。
再会したその日に初めてもらったもの、多過ぎだよ。
「…ほんと、生意気…。」
僕ら向き合いながら交わしたキスをまるで祝福してくれるみたいに桜の花びらが舞っていった。
~END~