第2章 紫瞳の貴方 土方歳三
それから私は、分からないことがあるたびに土方先生の部屋へお邪魔しにいった。流石に勉強のことだから、追い出しにくいかなーって
ほんとは迷惑してるだろうなぁ…。
なんて思いつつ…結局今日も足を運んでしまった訳でして。
「…で、今日はどこが分かんねぇんだ?」
「ここなんですけど…。」
「あぁ、ここは習ったとこの応用だ。」
プリントを覗き込むように見てきた土方先生のメガネをかけた顔が近すぎて…。
「ん?顔赤ぇぞ、熱でもあんのか?」
「だ、大丈夫です!//あの、えと、お、お手洗い借りますね!」
咄嗟にそう言って立った瞬間、長い間正座してたから、痺れていた足ががくっとなってしまい…倒れそうになった。
「夏野!」
「きゃっ…!」
ボフッ!
「…大丈夫か?」
「は、はい…大丈夫で…す…!?////」
一瞬何が起きたか解らなかった。
倒れたと思っていた私の身体は、ソファーの上で、そこに、土方先生が私を…押し倒したような形で見下ろしていた。
ほんと何が起きたの!?
「…先生…あの…///」
「夏野…。」
「ひゃ、い…///」
うわ~ん、この体制から戻れないから恥ずかしすぎて噛んじゃった///
「…お前、随分前から俺のこと見てたよな。」
ば…バレてる…!し、しかもそれ今この状況で聞きますかっ!?
「…無言か…それは肯定と受け取るぜ?」
だ…だって…はい、なんて言ったら…。
「…俺は教師で、お前は生徒だ。この関係である以上、超えちゃならねぇ一線ってもんがある。」
ズキッ…
そんなの、分かりきってたこと…ですよ…。