ときめきメモリアルGirl's Side【佐伯瑛】裏
第1章 夢の隣に
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元はと言えば、おまえが着替え中にいきなり入って来るから悪いんだ。
うん、そうだ。
俺は悪くない…よな?
それに、照れた顔がやけに可愛かったのもいけないんだ。
前から気になってたんだよな。
はちょっと無防備すぎるんじゃないかって。
相手が俺なら構わない。
けどだれかれ構わず愛想を振りまき、みんながおまえに夢中なんだ。
なのに当の本人ときたら、そんな事全く気付いてない。
「」
無防備に俺の目の前に晒された白い首に唇を寄せるように背後から抱きしめる。
「ひゃぁ…っ、てっ…瑛くん?」
着替えが終わるのをじっと待っていたおまえが、不意に抱きしめられて首筋に感じた感触に身じろぐ。
「、静かに」
そんな事言いながらもおまえの声が聞きたくて首筋に舌を這わせる。
「…んっ、ダメ…無理。あっ、お店は?」
どうにかこの状況を抜け出そうと、店の心配をし始めるおまえ。
でも、残念でした。
まだ開店までには時間があるんだ。
間に合えばいいだろ?
店の開店時間に。
「まだ…時間あるから」
背後から胸を両手で包み込む。
店の制服越しに感じる柔らかな感触を楽しみながら。
「あんっ…やっ」
「だから、声出すなって。じいちゃんに聞こえるだろ?」
「うっ…だって…瑛くんが…」