ときめきメモリアルGirl's Side【佐伯瑛】裏
第1章 夢の隣に
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「キャーッ!」
嘘だろ?
いきなり部屋の扉が開いたかと思ったら悲鳴を上げるおまえ。
慌てておまえに近づいて口を押さえ扉を閉める。
「何なんだよ、急に…」
少し焦ってるのは着替えの途中だったから。
「だって…、瑛くん、そんな格好で」
恥ずかしそうに頬を赤らめて俺から視線を外すおまえ。
だって…って言われてもさ。
俺、着替えてたんだからしょうがないじゃん。
「着替えてたんだよ」
赤くなったおまえに、つられるようにこっちまで赤くなる。
「ごめん…、もう着替え終わってるかと思って。ねぇ、瑛くん、取り合えず着替えちゃってよ」
「あのさ、おまえがここに居たら着替えらんないだろ?悪いけどもっと脱ぐんだぞ?」
まだ学校から帰ったばかりで、制服のシャツを脱ぎ上半身裸の俺。
恥ずかしがるおまえをちょっとからかうつもりで、ベルトに手を掛ける。
「あーっ、ちょっと待った!私後ろ向いてるから」
目の前でズボンを脱がれちゃ堪らないって感じに慌てて背を向ける。
俺に背を向けて少し俯いたおまえの白い首筋が、今日はやけに気に掛かる。
「着替え終わったら声掛けてね」
でも、それって勿体無いよな?
今日はたまたまじいちゃんも出かけてて。
まだ店を開けるまでに時間もあるし。