第2章 ナオ side
「プルルルルル……」
電話?
誰だろ
表示画面には“非通知”
いつもなら非通知の電話には出ない
けど、昨日お母さんから
『荷物送ったから明日明後日には
届くと思う』って連絡あったから
“宅配便の人からの電話かも”と
思って出た
『はい、もしもし?』
『よかった、番号変わってなくて
久しぶり、ナオ』
『ケイスケ?』
『うん、元キッチンの
ケイスケくんです(笑)』
ケイスケから上京の話を聞いた
あの日から
我慢してた涙が溢れた
“忘れなきゃ忘れなきゃ”と
思ってたのに、こんなことされたら
期待して待っちゃうじゃん