第2章 炎天下【影日】
「チョコだ」
「ソーダ!のやっさんがソーダ味のアイス食べるとバレー上手くなるって言ってたんだ!」
「なわけねえだろ!んなこと信じてねえで練習しろボゲ!」
「影山がなんて言ったってソーダ味だ!」
「チョコだ!!」
「ソーダ!!」
あーわかった 、そう言って影山は拳を握る。
「じゃんけんだ」
「...んぐぐ......」
日向は不服そうに顔を顰めるも、思い切ったように叫んだ。
「やってやる!!」
漢と漢の真剣勝負。
そこには蝉の叫び声も、焦がすような日照りでさえも、立ち入ることは許されない。
あるのは静寂と、内に秘めた闘志だけ。
握った拳を一度合わせ、戦闘態勢を整える。
大きく息を吸い込んだ。
「「最初はグー!!じゃんけんっ!!」
......
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