第2章 炎天下【影日】
じりじりと熱線が注ぐ中コンビニに辿り着く。
自動ドアをくぐれば、そこは冷房の効いた、もはや極楽だった。
「うひょー涼しいー…」
感じたことがすぐに口に出る日向がてろーんとしているのを尻目に、影山は次々と品物をカゴに放り込んでいく。
「んー...」
すると、日向がカゴの中と影山を交互に見て首を傾げた。
「何見てんだ」
影山の眉間にシワが寄るのを見て、「げっ、怒るなよ...」と肩を竦める。
「よく誰に何頼まれたか覚えてるよなーって.....影山のくせに」
「あ?」
「うっ...な、なんだよ、本当のことじゃんか!勉強できないのは...」
尻すぼみに反論する日向の口が尖っていくのを半ば睨みながら言った。
「覚え方の問題だ。誰が何を頼んだかじゃなく、何を何個頼まれたかで覚えりゃ少しは違うだろ」
「な、なるほど...」
最後にツナマヨのおにぎりをカゴに投げて、会計へ。
「130円のお釣りになります。ご確認ください」
手渡された小銭を2人見つめた。