• テキストサイズ

【ハイキュー!!】君と僕が【腐向け】

第1章 不意打ち【影菅】


俺はいつの間にか走っていた。肌を刺す風を切ってただ、走っていた。


周りの音は聞こえなかった。荒くなる息遣いと鼓動だけが、耳元で喚いている。





なんだって烏野に来たんだ。





勢力的に考えれば、影山がうちに来たことは大きい。

落ちた強豪。飛べない烏。

再び全国に駒を進めるために、影山は確実に必要となるだろう。




烏野の、"セッター"として。






国道とは名ばかりの、寂れた道に出たところで信号に捕まった。


膝に手をついて、真っ白な息を吐き出す。
オレンジ色の街灯の光が、俺の背中に絡みついて離れなかった。

自分の影で真っ黒に染まった地面を蹴る。ギリギリと音が鳴るくらい拳を握り締めて、膝に叩きつけた。




「クソッ......」




ぐにゃりと視界が歪む。
手の甲に冷たい何かが降った。





コートの上に、俺の居場所はもう、無い。



俺のトスを呼ぶ仲間の声も、
背中を叩く叱咤の掌も、
仲間を奮い立たせる雄叫びも、
沸き立つような興奮も、
噛み締めた悔しさも。



もう、もうーー



















「菅原、先輩?」


/ 15ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp