第1章 【黒子のバスケ】夏色花火
棗の言葉に、リコはにっこりと微笑んだ。
「ありがとう!じゃあ、見つけたらここに連絡して」
そう言って棗に連絡先のメモを渡すと、リコは廊下の奥へと消えて行った。
棗と別れた後、リコは両手を握り締めた。
「黒子…今日は話があるって言ったのに…!」
(どこほっつき歩いてんのよあのバカは!)
そのとき、リコの後ろから聞き覚えのある声がした。
「監督ー、黒子見つかったか?」
その声にリコが振り向くと、そこにはメガネをかけた男子生徒が立っていた。
「日向くん」
リコはため息をつきながら答えた。
「まだ見つかってないのよ。黒子くんのクラスメイトにも捜索協力頼んだんだけど….」
プルルルル、プルルルル、
突然、リコのケータイの着信音が鳴った。