第1章 【黒子のバスケ】夏色花火
棗の言葉に、リコは少し驚いたように目を見開いた。
しかしすぐにいつもの表情に戻ると、棗に問いかけた。
「…どこに行ったか分かるかしら?」
棗は少し考えてから答えた。
「はい、廊下を出て右の方に向かってました」
「そう。ありがとう」
リコは笑顔でそう言うと、棗の手首を掴んだ。
「えっ?」
棗が戸惑っていると、リコは申し訳なさそうに言った。
「あなたも黒子くんを探すの手伝ってくれない?見つけにくくてやっかいなのよ…」
その言葉に、棗は首を縦に振った。
「いいですよ」