第2章 【銀魂】偽りの華
「そうですね…ありがとうございます」
持ち物は、血まみれの衣類・かんざし・財布だった。
どれを見ても、記憶の手がかりになるようなものは見つからなかった。
「いつ頃…退院出来るんでしょうか…?」
「そうですね…由良さんが眠っている間にほとんど傷は塞がったので、あと4日くらいですかね」
看護婦は、棗を安心させるように優しい声音で言った。
「そうですか…ありがとうございます」
棗は深々と頭を下げた。
それから毎日、土方は棗のお見舞いに来た。
「退院したら、どこでも好きなところ連れてってやるよ」
そう言って、柔らかく微笑んだ。
棗には、それが一番の励みだった。
この後、何が待ち受けているかも知らずに…