第2章 【銀魂】偽りの華
「事件って…?」
「ああ、由良さんは記憶がないんでしたね。貴方は事件に巻き込まれて、この病院に運ばれて来たんです」
「事件…?」
棗が不安気につぶやくと、看護婦は少し考え込んでからこう言った。
「はい、なんでも斬り合いに巻き込まれたとか…」
その言葉を裏付けるかのように、棗の上半身には包帯が巻かれていた。
おそらく包帯の下は刀傷なんだろう。
「詳しいことは分かっていないみたいなんですが…」
そこで一旦言葉を切ってから、看護婦は続けた。
「それを見れば何か思い出すかもしれませんよ」
看護婦の目線の先には、さっき手渡された棗の持ち物があった。