第1章 【黒子のバスケ】夏色花火
「うーん…まあいいわ!」
リコの了承を得ると、伊月は棗の肩を抱いたまま、歩き出した。
棗も、伊月につられて一歩前に踏み出そうとする。
その腕を、黒子が掴んだ。
「黒子くん…?」
棗が驚いていると、黒子ははっきりと言った。
「棗さん、僕とまわりませんか?」
真剣な表情の黒子に、胸が鳴った。
「黒子は棗ちゃんのことどう思ってるの?」
伊月が黒子に向かって問いかけた。
「好きですよ」
黒子がそう言うと、伊月の棗を掴む腕が緩んだ。
その隙に、黒子が棗を連れて走りだした。