第1章 【黒子のバスケ】夏色花火
さっきから二人が話している計画とは、黒子が棗のことをどう思っているのか確かめる計画である。
伊月によると、黒子が棗のことを好きなら、何かしらの行動に出るらしい。
(棗ちゃんは俺に口裏合わせてくれてればいいから)
伊月が棗の耳元で囁いた。
伊月の息がかかり、ドキリとする。
そんなことをしている間に、全員揃ったようだった。
リコの元気な声が響く。
「みんなー!行くわよー!」
その声にみんながぞろぞろとついていく中、伊月は後ろからリコに声をかけた。
「監督、俺ら別行動してもいい?」
伊月はリコにそう告げると、棗の肩をぐいっと引き寄せた。
「いいいい伊月先輩⁉︎」
慌てる棗に構わず、伊月はさらに棗に密着した。