第1章 【黒子のバスケ】夏色花火
棗が戸惑っているのも構わず、伊月は棗の手をとった。
「伊月先輩⁉」
「棗ちゃん下駄でしょ?転んだら危ないから」
棗の胸がとくんっとなった。
(えっ、なにこれ!私は黒子くんが…)
黒子くんが…好き…?
自分の気持ちに気づくと、途端に恥ずかしくなった。
伊月はそんな棗の様子を静かに見つめていたが、ゆっくりと口をひらいた。
「…棗ちゃんってさー、黒子のこと好きなの?」
その言葉に、棗の顔は真っ赤に染まった。
「はい…おそらく…」
棗がうつむきながら答えると、伊月は満足気に笑った。
「俺にいい考えがあるんだけど…」