第1章 【黒子のバスケ】夏色花火
花火大会当日。
棗は浴衣に着替えていた。
(黒子くんも浴衣かなぁ…)
そこではたと気づく。
(いや、私たちケンカしてるから!)
自分の言葉にさらに落ち込む。
棗は軽く首を振った。
「せっかくお祭りなんだから、楽しまなきゃね!」
棗はそう言いながら家を出た。
玄関を出ると、そこには伊月が立っていた。
「伊月先輩…?どうしてここに?」
棗が不思議そうに尋ねると、伊月は少し考えてからこう言った。
「監督に、棗ちゃんを迎えに行ってって頼まれたんだ」
だから行こう、と言って伊月は手を差し出した。
「あのー…この手は…?」