第1章 【黒子のバスケ】夏色花火
「あなたが…バスケ部のマネージャーになるから…」
黒子はぼそりと呟いた。
小さな声だったが、棗には聞こえてしまった。
「…っ…なんでそんなこと言うの⁉︎勧めたのは黒子くんじゃない!」
棗の頬には、知らないうちに涙が伝っていた。
それをみた黒子は、驚きに目を見開いていた。
「棗さん…」
黒子は棗へと手を伸ばすが、あと少しというところで空を切った。
「…黒子くんのばかぁ!」
そう言うと、棗は部室を飛び出した。
棗がいなくなった部室で、黒子はロッカーをガンッと叩いた。
「何をやっているんだ、僕は…!」
その声に、答える者は誰もいなかった。