第1章 【黒子のバスケ】夏色花火
二人以外に人影はなく、窓の外で木の葉が揺れる音だけがしていた。
「黒子くん、あのさ…」
棗は少し緊張しながら言った。
「最近…何かあった?」
「どうしてそう思うんですか?」
黒子は棗の問いに答えることはなく、逆に質問してきた。
黒子はうつむいていて、棗からは表情が見えなかった。
「なんでって…最近、調子悪いのかなって思って…」
棗の言葉に、黒子はゆっくりと顔を上げた。
そして、棗をじっと見つめた。
「誰のせいか分かってるんですか?」
(えっ…この口調からして…)
「私の…せい…?」