第1章 【黒子のバスケ】夏色花火
そして、冒頭にもどる。
「いやいやいや、無理ですよ‼」
棗は勢いよく首を横に振った。
そして、助けを求めるように、黒子に視線を向けた。
黒子も棗の視線に気がついたらしく、ゆっくりと口をひらいた。
「いいんじゃないですか」
「うえ?」
驚きのあまり、変な声を出してしまう。
(私は助けを求めたわけで…えっ?)
「黒子くぅぅぅぅん⁉」
棗はがばっと黒子の肩を掴んだ。
すると、黒子は不思議そうな顔で言った。
「どうしたんですか?棗さん」
(ダメだこりゃ…)
棗が落胆のあまり顔に手を当てると、棗の背後から嬉しそうな声が響いた。
「じゃあ、もう決まりね!」
そこには、満面の笑みを浮かべたリコがいた。
その笑顔に、棗は逆らえない何かを感じとったのだった。