第11章 本音
ロビーに行くと、松っつんがうなだれていて
その姿を見てニヤッと笑う
「お疲れ松っつん。好きな子の恋を応援するとか男前だね~」
「死ね及川」
「岩ちゃんみたいなこと言わないで!!」
松っつんがちゃんのことが好きだと知っているのは俺とマッキー、そして松っつんのクラスの人たち
岩ちゃんは、きっと知らない
「今ならゲットできるじゃん。弱ってるところを優しくされたら落ちるぜ、きっと」
「バカだろ。そんなことしたら岩泉に殺される」
それに、と松っつんは続ける
「が幸せなら俺はそれでいい。笑ってる顔が見れたら俺は十分だ。……なんてきれいごとなんだけどな」
はは、自嘲気味に笑う彼を見て俺達はその背中を叩いた
「なんか食べて帰ろうか。今日は俺のおごりだよ」
「まじで?じゃあ担担麺で」
「俺は醤油で」
「なにどさくさにまぎれてんの、マッキー!!」
俺達の笑い声は夕空の向こう側に消えて行った
結局俺はマッキーの分もおごってやった
どんどん餃子やご飯を追加する容赦ない二人の胃袋のおかげで今月のお小遣いが飛んで行ったのは言うまでもない