第10章 一言
毎週月曜日は部活が休みの日だ
それを利用し、俺は病院に行ってに会いに行っている
「よぉ、今日も来たぞ」
目を閉じたままの彼女に声をかける
返事など返ってこないというのに、何度も呼びかける俺はバカの部類だろうか
俺は近くの椅子に座り、の顔を見る
息はしているが意識はない
それは睡眠と何が違うのだろう
今にも目を覚まして「一くん、おはよう」とでも言いそうな雰囲気なのに
「、また来るわ」
髪を撫でて俺は病室を後にした
帰り道、俺の頭は考えたくもないことを考えていた
もし、あのまま目を覚まさずに死んでしまったら……
その考えを吹き飛ばすように、自分の頬を殴った
こんなことを考えるなんて相当疲れてるみたいだな
家に入ると、玄関に靴が何足か並んでいた
嫌な予感がする
俺は眉間に皺を寄せた