第9章 赤の他人じゃない
が目を覚ますことなく10月になった
そして代表決定戦も終わった
準決勝で白鳥沢と当たり、また負けた
「ウシワカちゃん、来年は覚えてなよ。けちょんけちょんにしてやるんだから」
「なぜ覚える必要がある。俺は忘れたりしないぞ」
「そういうことじゃないよ!!そういうボケはいらないから!」
「俺はボケたことなど一度もないが」
「もういいよ!!」
俺達の前に立ちはだかる高い高い壁
それを越えなければ前には進めない
その壁があまりにも高すぎる
だからといって、そこで立ち止まるわけにはいかない
「引退するまでにはぎゃふんと言わせてあげるからね、ウシワカちゃん」
「ぎゃふん。これでいいのか?」
「もうやだ、この人!!」
違う意味で涙目になる及川
表彰式に移り、賞状をもらう
第二位、と書かれた文字を見る
嬉しいという感情と同時に、優勝までの長い道のりも感じた
試合が終われば学校生活が始まる
この時間には白鳥沢と戦っていて
そして数時間後には負けた
もし、あの時ストレートに打っていたら何かが変わっていたんだろうか
過ぎ去った時間を悔いてしまうが
そんなの自分の性には合わない
首を横に振り、気持ちを切り替えた