第5章 テストと部活と6月の雨
梅雨の時期が訪れた
鬱陶しいくらい朝から晩まで毎日のように降っている
梅雨の時期というのはどうしてこうも身体がだるいのだろう
部活でもしてストレスを発散したいが、生憎今日から部活はない
テスト週間だ
一週間も部活ができないなんて体がなまる
暇さえあれば、及川を誘ってバレーをしているが、
やはり何かが物足りない
「はぁ……」
自習時間、俺は目の前の問題には手を出さず、外に目をやる
ざああああああ、と止むことを知らない雨
俺のストレスを増やすんじゃねえ
まだ午前中だというのにこの薄暗さもまた、だるさを増加させる
雨は嫌いだ
何もできないうえに、人のやる気を根こそぎ奪っていく
マイナスポイントしか見当たらない
日頃の疲れも手伝ってか、俺はそのまま眠りについた
次に起きた時は、既に授業は終わっていて、みんな次に授業の準備をしていた
「岩泉、お前寝てたろ」
「まぁな。やる気もクソもおきねえよ。つか、次なんだっけ?」
「体育だよ。早くジャージに着替えんべ」
時間割表をみれば確かにそこには体育と書かれていて
重たい腰を持ち上げ、俺はジャージに着替えた
もし今日晴れていたとしたら、男子はまたマラソンなんだろうな
マラソンは嫌いじゃないから、やはり俺は雨を恨んだ