第20章 いじめ2
まだ興奮気味のの背中を擦り、車いすに座らせる
女子生徒の方も、髪の毛を乱してもなお#NAME1を睨む
「あんたさえいなけりゃよかったんだよ!!そうしたら松川君だって苦しい思いをしなくて済んだ!!」
「俺が苦しんだとかそんなのお前が勝手に決めるな」
女子生徒の言葉に、松川が低い声で言った
「苦しい思いも辛いって感情も全部俺のモンだ。お前が勝手に俺の気持ちを代弁すんな。俺の気持ちは俺が決める」
その言葉に、女子生徒は言葉を失くし
そして涙を零し泣き崩れた
もつられたのか、その目には涙がたまっていた
泣き崩れる女子生徒の肩に手を置く及川
「"好き"なら、何をしても許されると思っちゃいけないよ。相手の気持ちを尊重すつことも大事だよ。自分の一方的な愛情をぶつけても、それは重荷にしかならないし相手を傷つけるだけだ。そんな子に、誰も見向きはしないよ。でも、君は反省して涙を零せる心優しい人だと、俺は思うよ」
その後、先生が来てその場は丸く収まった、と思う
二人は先生に連れられてきっと生徒指導室に向かっただろう
これで一応、いじめは終わった
余談だが、女子生徒の名前は吉田美穂というらしい
その後の二人は、なんだかんだ仲よくしているらしい
しょっちゅう喧嘩しているところを見るが、たまにLINEで吉田や水無月、伊藤と撮ったプリクラが送られてくる
『みーちゃんはね、我が強すぎなんだよ』
「そういうあんただって頑固すぎてうざいんだよ」
『そんなんだから松川君に振られるんじゃない?』
「まじでお前ぶっ殺す」
『あ、そういえば駅前においしいクレープあるけど今日一緒に行く?』
「なんであんたなんかと。ま、が奢ってくれるなら行くけど」
『じゃあ、決定ね』
女ってよくわかんねえ
今日も穏やかな一日が過ぎ去った