第2章 35円と100万ドル
中肉中背、ごくごくありふれた高校二年生の自分とはエライ違いだ。
非常に失礼かつ、奇抜な外見の美少女が口を開く。
「私は未来から来た、時空間警察の超エリートエージェントなのよ!
この時代で、百兆円規模の歴史改ざんが行われるのを、察知してやって来たの!
捜査拠点として、あなたの自宅を接収します!」
外見も奇抜なら、言うことまで奇抜だ。
あと達者な日本語だなぁ…ホントに外人さんだろうか?
「……って、なんでうちに? 接収っ!?」
「両親は出張で、以後一週間不在、しかもあなたの現金価値は35円!
今回の捜査であなたの人生が狂っても、35円の人生なら大した損失にならないからなのよ!」
なぜウチの家庭の事情を?
しかも、失礼の上に失礼を重ねてきやがった!!
さらに「時空間警察???未来から来た!?大正時代の間違いじゃ無いの!?」
「大正?江戸時代の後が、初期情報化時代じゃ無いの?
この時代の情報ってあまり残って無いから100年単位の誤差は多めにみなさいよ!」
ピーンッ!!その時、僕に電流走るっっ!!
「…はっ!!」(圧倒的閃きっ!!)