第1章 34円と弁慶の泣きどころ
「現金価値が、34円ぽっちのお前を消すだけで、未来の人類の歴史が、百兆円分以上も改善されるんだ、光栄に思いつつ……死ね!」
弁慶さんは、よく分からない事を叫びながら、薙刀を振り下ろす。
「えっ!?どっきり!?」
間の抜けた声を出しながら、割と僕は本気で死にかけていた、まさにその瞬間!
「といやぁっ!!」
と、戦隊モノの元祖な掛け声を吐きながら、弁慶さんの股間を、背後から全力で蹴り上げる謎の影………
「へぐほぅおぅ…っっ!!!…ちょ…ちょれマ…」前屈み涙目でぴょんぴょんする弁慶さん。
ダメージを受けた、デリケートゾーンに左手を添えることも忘れない。
そう、左手は添えるだけ……
「流石に、弁慶の泣きどころへの攻撃は、耐えられない様なのよね!!」
違います、そこは弁慶の泣きどころではありません。
全男性の泣きどころです……
絶体絶命の僕を救ってくれたのは、大正時代からタイムスリップしてきたような、和装の美少女だった。
なんか卒業式で見たことある服装、と言えば伝わるだろうか。
弁慶さんに大正娘さん。
なに?
今日は歴史モノのコスプレ大会でもあるの!?
あっけにとられる僕を無視して、コスプレイヤー達は話を進める。
「『より良い歴史革命軍』ね!
社会のゴミは、歴史から滅殺なのよ!!」