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時をかける【現金な】少女

第3章 35円と価値の変わらないもの


 ピピピピ…電子音が彼女の腕時計から鳴りだした。

 「おっと、もうそんな時間なのね」

 「何の時間?」問う僕に、彼女はウインクをしつつ、

 「この時代に来たついでに、助けたい人がいるの。一緒に来る?」

 何気ない仕草だったけど、うっかりドキッとしてしまった。

 口元にキンピラゴボウが残ってなかったら、危うく恋に落ちる所だ。

 キンピラの油で艶っぽい唇から、無理矢理視線を外しながら僕は答えた。

 「行くよ、またあの弁慶さんに襲われても困るしね。」

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