第3章 35円と価値の変わらないもの
「それでも僕は、やってない!」
「うっさいのよ!(もぐもぐ…)犯人は私なのよ!
もう!こういう時は、(シャキシャキ)
自分が泥を被ってでも、女の子を庇うもんなのよ!!」
「いや、二人しかいないんじゃぁ結局同じ……」
ご飯をもぐもぐ、キンピラごぼうをシャキシャキ言わせながら、元美少女は語った。
見た目は相変わらず可愛らしいが、もう既に僕の中でこいつは美少女ではない。
とりあえずは、命の恩人ではあるので、家に上がってもらった、また弁慶さんに襲われても困るし。
時代考証がズレてたせいて、浮きまくってた和装ではなく、僕の普段着を着てもらった。
無地のシャツにジーンズ、オシャレでは無いが似合っている、悔しいが腐っても美少女である。
「つまり、タイムトラベルが可能になった未来。
自分たちの都合のいいように、過去の歴史を改ざんしようとする輩を取締り、正しい歴史を守るのが、私たち時空間警察なのよ!」
ガツガツとキンピラを皿から消してゆき、ゴクゴクと粕汁をすする……っていうか飲む?彼女。
かなりの健啖家だ……
我が家の食卓の名誉のために言っておくが、夕飯のメインはさんまの塩焼きだったのだ!キンピラオンリーではない!!
ただ、真っ先に彼女の胃袋に消えていっただけなのだ。
骨も残さず……