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時をかける【現金な】少女

第3章 35円と価値の変わらないもの


【夢と現実のあいだ3】

 彼女か引鉄に指をかけてから、随分経った気がする。

 そして今までの思い出が、ゆっくりと頭の中で再生された。

 これが、走馬灯と言うものなのだろうか。

 僕の命ではなく、初恋の走馬灯。


 最初に、彼女を好きになった瞬間を思い出した……

 僕の料理を、「美味しい美味しい」って、食べてくれたときだったっけ。

 見事な食べっぷりに驚いたものだ。


 そんな事、彼女に言ったら怒るだろうか?


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