第10章 『厄介者』
「なるほど、では安部さんはその世界は実在すると思うかい?」
「実在するかどうかですか?
んー、この世界にもまだ知られてない所があるからそこに物語の人達はいるかもしれないし、そこから行けるかもしれないっていう可能性が少しでもあるわけですから私は信じたいですね。」
(そもそも陰陽術だって普通の人達からすれざ書物の中のみに記されている力なわけだしね)
「この世界にも喰種という普通ではない生き物もいることだしね」
「……それは喰種が普通の生物とは異なるということですか?」
「僕はそう考えてるよ」
「私は喰種も人も他の生き物も何も変わらないと思いますよ?」
変なことを聞いてくる月山さんに私は真面目にそう答えた。
私の言葉を聞いた月山さんの目つきは完全に私に興味を持っていた。
「まあ、今は喰種のことはいいじゃないですか!
本のこと話しましょうよ!」
私は変な空気になっている状況を変えるために話題を無理やり引き戻した。
この後は月山さんのオススメの本のことを聞いたり、金木の服装についてアドバイスをしたりと色んな話をした。