第10章 『厄介者』
「すまない。つい口にしてしまった」
(何が違うんだ…?はっ!…彼女が口にした所を食べたら味がしたんだ)
月山さんが上の空気味に謝罪の言葉を述べて少ししてから何かに気づいたみたいに私を見た。
見られた私は突然なに?!と思ったが月山さんが直ぐに微笑んだので真意はわからずに終わった。
「それより、コーヒーも美味しいですね!」
「うん、そうだね!」
(そうだマスターから貰ったこの“角砂糖”を入れよう)
コーヒーに金木は机に備え付けられてる砂糖ではなく、自前の角砂糖を入れた。
「何だいそれは?」
「これはマスターから貰った角砂糖です。」
(これを入れると多少だけど空腹を凌げるんだ)
「マスター自家製ってことか〜!今度私も頼んでみようかな!」
「え、陽菜ちゃんはブラック派じゃないの?」
「そうだけど、マスターのオリジナル砂糖使ってみたいからさ!」
(これ見た感じは砂糖だけどマスター作ってことは違うんだろうね。)
「ああ、なるほど」
(でもこれ本当は角砂糖じゃないんだよな。…ここで言ったら僕の正体が陽菜ちゃんに知られてることが月山さんにバレてしまう。
…このまま陽菜ちゃんに乗っかろう。)
私達の会話が終わったタイミングで月山さんが口を開いた。
「ところで2人はどんな本を読むんだい?」
と、聞かれた。
「そうですね。私はファンタジー系を読む事が多いですね。物語の世界では現実からかけ離れた世界に入りたいし、その世界を本を通して体感するのが好きです。」
「僕は作家の高槻泉の作品が好きですね。
他にも本自体が好きなので面白そうだと思ったものは読んでいますね。」
それぞれ質問に対して答えた。