第10章 『厄介者』
そんなやり取りを見てか、金木から声をかけられた。
「そうだ。陽菜ちゃんも今度の日曜だけど一緒に喫茶店いかない?」
「あんてぃくじゃないとこ?予定は大丈夫だけど」
(急だね。珍しい)
「うん。月山さんがオススメしてくれるところ。雰囲気が良くて読書にピッタリらしいんだ。
陽菜ちゃんも読書好きだったからどうかな?と思って」
「!そうだなぁ、うん!行ってみたい!!
あ、月山さん勝手に私も行く感じになってるんですがお邪魔してもいいですか?」
「…ああ。大丈夫さ!君も本が好きなら気に入ると思うよ」
こうして私達3人は今週の日曜日に喫茶店へと行くことになった。
***
日曜日
月山さん、金木、私の3人は今、月山さんが紹介してくれた喫茶店に来ている。
来る途中に月山さんからこの喫茶店には高槻 泉も良く来るんだよと教えてもらい心の内で気分が上昇していた。
「物凄く落ち着いた雰囲気のお店ですね。
デザインも凄くいい」
(ちょっと遠いけど良い所を知れたな〜)
「僕もそう思うよ。時間の流れがゆっくりしてるように感じるね」
「気に入ってくれたみたいだね」
「はい!連れて来てもらってよかったです!」
(ちょっと疑ってたけど店は人が営業してるし考え過ぎだったかもしれない。
逆に金木君の方が今は不自然なんだよね〜)
私はそんなことを考えながら金木を盗み見みていた。
たまにあることだから必要に気にはせず店員さんにサンドイッチとコーヒーを頼んだ。
後の2人は当然のようにコーヒーだけのようだ。
「お待たせ致しました。ホット3つとサンドイッチ1つです。」
そう言ってから頼んだ物を置いて笑顔で去っていった。