第9章 『家族』
私はそれを気配で把握してここから離れた事を確認すると金木に話しかけた。
「何で暴走してるの。」
「っ…あぁ、オイシソウだ…」
(違うっ!!あの子を…傷つけたら…駄目、だ)
「…話出来そうにないみたいだね。
でも、直ぐに飛びかかってこない所をみると理性は少し残ってる?っと!!」
(危なっ!!)
そう言った瞬間に攻撃されて私は大きく後ろに引いた。
「っ!逃げて…!僕に殺させないでっ!!」
「……これはどうしようか」
(殺すわけにはいかないし、でも反撃しないとやられそう)
さらに突っ込んでくる金木を見ながらそう考えていた。
そして嚇子を打ち込んできたタイミングで私は金木の間合いに素早く入り込み、術と蹴りを同時に行い数メートル上の道まで吹っ飛ばした。
喰種の回復力を持ってしたらあれぐらいなら直ぐに仕掛けてくると思い、身構えていた。
しかし金木は中々戻って来ない。
そのことを不審に思い 自分が飛ばした方へと足を向けた。