第9章 『家族』
「人間……。」
(私達を、みても逃げない?)
私のことをジッと見て幼いながらに信用できるかどうかを測っているようだ。
私はそんなヒナミを急かすことなく静かに待っていた。
「こ、怖くないの?」
「うん、怖くないよ」
私は笑顔で全然っとくびを軽く横に振り 答えた。
その反応にヒナミは顔を上げ少し声を大きくしてこう言ってきた。
「安部さんは、お兄ちゃんのカノジョ?」
「え?私が?
いやいや、違うよ!どこからそんな考えに至ったの!?」
予想外の言葉に私は諸に動揺した。
「違うの?そっかぁ残念」
何が残念なのかさっぱりだが 理由を聞くのは後でもいいかと思い私は金木に「で、ヒナミちゃんがここにいる理由聞いていい?最近の行動の切っ掛けだよね」
と聞いた。
「…うん」
(陽菜ちゃんって本当は心を読めるんじゃないか?なんでして欲しいことがわかるんだろう?)
「でも、内容はまだ聞かない方がいいみたいかな?終わったら話してね!」
(金木君は何かを成そうとしてるんだろうね…、今の現状を悲観せずに前をちゃんと向いてる。そういう意味じゃとても強いね)
私は顔も見れたしそろそろ大学へ向かうことにし2人に「そろそろいくね!バイバイ」と手を振り部屋を出た。