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灰色の人間

第9章 『家族』








カランコロン…







「いらっしゃい…おや、珍しいね」


陽菜ちゃん、とマスターが笑いかけてくれた。


「今日何時もより早起きしたんで朝ごはんを食べにきました。
サンドイッチセットお願いします!」
(金木君のこと聞こうかと思ったけど…上にいるみたいだ)



私は食べたら上に行ってみようと思った。



「あの、マスター。上に金木君いますよね?行ってもいいですか?」
(気配的にはもう1人いるけど誰だろう)


「陽菜ちゃんなら別に構わないよ」


私はマスターにお礼を言い、早速上へと上がった。




コンコン



「はい」





扉をノックすると中から金木の声がした。

私はガチャリとドアを開けてから「久しぶり」と挨拶して中の様子をみた。



「え、陽菜ちゃん?どうしてここに?」


「ちょっと早起きしちゃってね、朝ごはん食べに来たら金木君の気配がしたからちょっと覗きにきたの。

で、そちらの女の子は?」
(喰種の少女か…、私のこと物凄い警戒してるな)



私は内心苦笑しつつ金木に少女の事を聞いた。


「えっと、この子はヒナミちゃんって言うんだ…、わけあって今はここに住んでるよ」
(なんて説明したらいいんだ)



「ヒナミちゃんって言うんだ、私は安部陽菜です。よろしくね?」



「………あ、安部さんは…人間ですよね……?」




ビクビクと震えながらそう聞いてきた。
怖がるのも仕方ないけどね。
通報されたら一環の終わりだ。




「うん、私は人間だよ。でも喰種を怖がったりもしないし、通報もしないから安心して?」





膝を折ってヒナミち目線を合わせ、私は優しく笑いかけながらそう言った。
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