第9章 『家族』
「はい、到着」
ドサッ
「っ!」
私は家の玄関に入ってすぐアヤトを床に落とした。
「あ、ごめん。重くて…」
私はヘラヘラと笑いながらそう言って中へと進んで行った。
そして荷物だけ置いてもう一度玄関に戻りアヤトを中へと運んだ。
「ここで休んでて」
「お前片付けろよ。ダンボールだらけじゃねぇか」
「今日引っ越してきたから仕方ないの!そこは諦めて!取り敢えずそかのソファーにでも寝てて!」
と言い私は台所へむかった。
台所からチラッとアヤトを見れば大人しくソファーに座っている。
時々ダンボールの中を覗いたりしてるが、まあいいだろう。
私は取り敢えず自分のご飯を作りはじめた。
「ん、お待たせ〜と言っても食べないよね?」
「当たり前だ」
ですよね〜と頷き私は1人で手を合わせてご飯を食べた。
そうしてるとポツリと
「腹減った」
とアヤトが呟いた。
それを聞いてアヤトを見ると何やら悶々と考えているのか目を瞑り唸っていた。
「これ食べたら手当てするからもうちょっと待ってて」
(お腹すいてるのか。傷治すのにエネルギー使ってるんだろうな)
そう言ってから素早く食べ終わり、食器を水に漬けてから救急箱を持って戻った。