第9章 『家族』
「動けるでしょ?で、あなた何処から来たの?その怪我じゃ帰れないでしょ。送ってあげるよ」
「は?んなのいらねぇよ!」
(こいつ何言ってんだ!?喰種の巣窟に来る気かよ!)
「そんなんじゃ歩けないでしょう。無理は良くないよっと!」
言い終わると同時に肩にある傷を握りしめた。
「ね?んで場所は?」
「……」
(隠しても無駄か…)
「場所教えてくれないと覗くよ?」
「は?!ちっ!わかったよ13区だ」
(こいつまた訳わかんねぇこと言い出しやがった!)
「…え、13区なの?あの荒くれた??
送るのは中止!私の家に行こう!」
「はあぁぁぁあ!!!」
(はあ!?こいつ何言ってんだ!?)
「いや、だってここから13区って…遠いよ。ここ20区だよ?わかってる?担いで歩いてくとか無理。かと言ってアヤトを公共の乗り物に乗せて運ぶのもカメラ危ないから却下。となるとここから近い私の家で一日安静にして、自力で帰るのが一番安全ってこと!オーケー?」
「……はぁ」
(こいつ正真正銘のバカだな。喰種を家に上げるバカがいるとはな。だが今回はこいつの家で休むのがいいかもしれねぇ、傷も完治させてくれるかもだしな)
「返事は?」
(もう顔でほぼ答えわかってるけどね)
私はニコっと笑いながら促した。
「お前の家に行く」
私はその答えを聞いて、ん!と頷くと後ろを向いてしゃがみ背に乗るように促した。
アヤトももう私が一度言ったら引かないことはわかったみたいで嫌そうな顔をしつつも私の首に腕を回して乗っかった。
こうして私は1人の喰種を家へと連れて帰った。