第9章 『家族』
「何で喰種を助けんだよ。お前はアホか?」
「貴方に言われたくない。私は別に人も喰種も気にしないだけ。私自身も人に好かれるわけじゃないし」
(助けても嫌悪の目で見てくる人は沢山いる)
「ふーん。んじゃこの力はなに?」
「これ?陰陽術の一つだよ。私こんなのでも陰陽師なんで。だから喰種に襲われてもへっちゃらなんだよ」
「あ?陰陽師? 」
(喰種に襲われてもって…経験あんのかよ!んで生きてるなら相手は殺られたってわけか)
陰陽師がイマイチ ピンときてないようで不思議そうな顔をしてるが説明が面倒なので放置することにした。
「とりあえずそろそろ術解いてあげる。襲う気ないでしょ?」
「はっ!わかんねぇだろ!」
「そうだね。でも もし襲ってきたなら次は殺すよ?こっちに敵意が無いことはちゃんと示したんだから」
私はそう言い返したあとに印を組み「解」とつぶやいた。
アヤトはふと体が軽くなったのを感じたようで手を開いたり閉じたりして動かせることを確認してる。