第8章 『仕事』
こうして連れて来られた場所は子供達が暮らす施設の広場の一角だった。
「この辺りで見たと聞いてるよ」
「ここですか…」
私はその場所をぐるっと見渡した。
確かに何かが居た形跡があることは確かだった。
そして今はいないが時折やってきていることもわかる。
「篠原さん、あの小屋はなんですか?」
私は白い小さな小屋を指差した。
「ん?ああ あれは掃除道具とかボールのような遊び道具を閉まってるとこだよ」
「最近つかってますか?」
「んーどうかなぁ、掃除道具も建物の中にも置いてあるし、あそこにおいてる遊び道具も古くなったものが多いから余り使って無いと思うけどね」
私はその話を聞いて1人納得した。
「原因わかったのかい?」
「はい、大方はわかりました。
考えがあってたなら幽霊の正体………」
***
私は今、夜の施設にいる。
勿論 幽霊を退治するためだ。
……そして私の横にはもう一人
「…何でいるんですか?亜門さん」
「篠原特等に頼まれたので」
「別に来なくても大丈夫ですよ?専売特許です」
「監視の意味もあるので」
「…直で言っちゃうんですね」
私は「はぁ」とため息を零しながらコソコソと会話をして夜が耽るのを待った。
そして深夜2時、幽霊は姿を現した。
ポーン……
ポーン……
ボールが跳ねる音が聞こえてくる。
「っ!!音がします!」
「そうですね。幽霊のお出ましですよ」
「…陽菜さんは下がっていて下さい。」
(ボールをつく音…なら実体を持ってるはずだ。泥棒という可能性もある)
「何を言ってるんですか?逆でしょ」
(……普通。人だと思ってるのかなぁ)
私は亜門さんにここに居るように言ったが「貴方を1人にさせるわけにはいきません」といいついて行くと言い張って聞かない。
仕方なく私が折れて後ろに居ることは許した。
私は後ろに亜門さんを連れて音がする方へと近づいて行った。