第8章 『仕事』
2人で局まで向かっている間に「方向音痴なんですか?」とドストレートな質問が来て私はギクっとしながらも平静を装って「方向音痴というより道を覚えるのが苦手で…」とさらりと嘘を述べた。
流石に極度の方向音痴だとバレるのは恥ずかしいのだ。
この後からは亜門さんがやたらと質問してくるが私が喰種をどう思ってるかという類のものや陰陽術についての質問は尽く話をそらしていった。
そして歩いていたら思いの他近かったのかCCGに着いた。
「ここですか?」
(でかいなー)
私は大きくそびえ立つ建物を仰ぎ見た。
「ええ、中に入りましょう」
そう言われ私は素直に亜門さんの後を着いたいった。
中に入るとソファー、そしてフロントの受付そしてその奥にまるで空港の金属探知機のようなゲートがあった。
「ここまで案内していただけたら大丈夫です。ありがとうございました」
私は辺りを見てから亜門さんにお礼を言い、お辞儀をした。
「そうですか。では私はここで。
何かあったらコレに連絡を下さい。」
(今から会議でなければここにいれたんだが…)
そう言って亜門さんは私に名刺を1枚差し出してきたので「ありがとうございます」とお礼を言って受け取った。