第8章 『仕事』
「CCGから?…どんな内容の依頼なんですか」
(CCGからだと?一体理由はなんだ)
「流石にここでは話せませんよ、守秘義務がありますから。
ところで、亜門さんはこの後CCGに戻るんですか?」
(もし戻るなら道案内がてらついて行きたい)
「?はい。戻ります」
私はその答えに目を輝かせた。
何と言っても私は方向音痴だ。もう絶望的なほどに。
1人で行ったことのない建物を目指したら十中八九着かないのだ。
そして最後にはその辺をうろうろしている雑鬼たちを捕まえて道を教えてもらってる。
陰陽師として妖に道を聞くなんて不甲斐ないと思いわするがそうしないとたどり着けないのだから仕方がない。
それに雑鬼というのは少し人々に悪戯をするぐらいでほぼ人畜無害な妖達だ。しかも長生きでその町にいる雑鬼なら道なんて知ってて当たり前なのだ。
それに私が安部清明の子孫だということも知ってたりするので向こうから絡んできたりもする。
まあ、舐められるわけにはいかないから時たま数珠をチラつかせて脅したりはするがそれ以外で祓ったりなんてことは一切しない妖達だ。
「なら、私も着いて行っていいですか?局までの道わからないんすよ。」
私は苦笑いを浮かべながらそう言った。
「ああ、そんなことですか。勿論です。」
(CCGまでの道程でもう少し話ができるかもしれないな)
私はよっしゃっ!と内心ガッツポーズしつつ亜門さんに「ちょっとだけ荷物の準備するので待っててもらえますか?」と言うと快く「はい」と返ってきたので私は急いで準備をした。
部屋の荷物を金木の家にでも預けようかと企んでいたがその暇もないので2日も張りっぱなしにしたら疲れて嫌なのだが、術で結界を張っていくことにした。