第7章 『宿泊』
「無理させてごめん。
……でも、ありがとう。
私の気にあたって正気を保てる人は少ないんだ。ほとんどは欲に負けて襲ってくる。
もし、金木君が襲ってきてたら今後、距離を取らないといけないと思ってたから。」
私がそう最後に言うと金木は焦ったように「どうして」と聞き返してきた。
「私が金木君を殺すことになるかもしれないからだよ。
こっちがしっかり手加減出来る状態ならいいんだ。でも、いつもそうだとは限らない。
今回襲われて思ったの、もし急に襲われて私が相手を確認せずに力を振るって殺してしまったら…。
だから今回泊まらしてもらう前に勝ってだけど少し試させてもらった。
ごめん、気を悪くしたよね」
「…そんなことないよ。
……陽菜ちゃんは何処にも行かないよね?」
「うん、その心配は要らなくなったからね!
私の匂いに当てられてあれだけの間 正気を保てるなら問題ないよ、大丈夫。
勝手に試してごめんね。
そして、ありがとう」
私は自分勝手なことをしたことを謝り、金木にお礼を伝えた。