第7章 『宿泊』
「んー、そんなに不思議そうな顔するなら一度術を解いてみるよ」
私は「百聞は一見に如かず」ということでそうと決めたからにはテキパキと動き、近くの妖達が群がってこないように結界を張ってから自分にかけている術を解き出した。
「気を強く持ってね?……解…!」
印を組み、一言呟いて術を解除した。
「どう? 匂いするでしょ?」
(どう……?)
「うっ…!!!」
(何だ…この匂い…!
いきなり目の前にフルコースが現れたみたいだ…
………喰いたい………
!?僕は一体何を考えてるんだ!)
顔を歪めて必死に欲望を抑え込もうとしている金木に私は嬉しさを押し込めて3分そのままにした。
「うっぐ……」
(やばい…)
金木の理性が尽きる寸前で私は自分に術を施した。
「っ! はぁはぁはぁ…!」
(危なかった…! リゼさんが出てくるところだった…)