第6章 訪問
「いや、こちらこそ反応し遅れて申し訳ない。
家が壊れてしまった…」
(今のが陰陽術か…。クインケ無しに喰種を倒す力)
なにやら変な葛藤に苛まれてるような不思議な視線を亜門さんからビシビシと送られて私は若干戸惑っていた。
「あ、家ならまあ探すので大丈夫ですよ。しばらくは知り合いか友達の家に居候させてもらいますw」
私が無事な荷物を点検しに部屋に向かおうとしたらパシッと腕を掴まれた。
「……なんですか?」
「貴方はCCGに入るべきだ。それだけの力を持っていて何故市民の為に戦わない?」
「クスクス 私はちゃんと市民の為、戦ってますよ? 特にこの東京では。
それと何度も言いますが、私はCCGに入るつもりは無いです。
そろそろお引き取り願えますか?」
(CCGは嫌いなんだよ)
私はさっきまでの笑顔を全て消して冷たい眼差しで静かに見つめた。それに対して2人は訝しむ様な表情を浮かべていた。
「……亜門君。今日の所は帰るとしよう。
このゴミも処理しないといけないからね。
今日はありがとうございました、安部さん。
そうそう、貴方の家はこちらで探しておきますよ。喰種にやられたなら手当てがでるでしょう」
そう言った真戸さんは不服そうな亜門さんを連れて行こうとしていたが、亜門さんはそれに従わずにクルリと振り向いて私の元にやってきた。