第6章 訪問
私は気配の正体に気づいてこれはヤバイと思った。
その直後、私の部屋の扉が蹴破られた。
「!?なんだ!!」
「何事かな?」
「……」
2人は多かれ少なかれ驚いていたが私は一切動揺も何も見せなかった。
「にくを、よこせ…!!!」
私の部屋の扉を壊した正体は理性を失った様子の喰種だった。
そいつは既に赫子を出していた。そして私を見つけた途端に奇声を上げながら私に猛突進をしてきた。
「もう、こんな時に…!禁!!」
私は刀印を横一線に払い相手の攻撃を防いだ。
「ぐっ!!
うまそう…!肉肉肉!!!その肉を寄越せぇぇぇ!!!」
私は2人に目で合図してとりあえず外に飛び出した。
「安部さん、あれは隣人かい?」
「そうですね。隣人です。」
「なんで貴方を執拗に狙ったんだ?」
「私の身体って喰種や…えーっと妖でわかりますかね?まあ、そういった者達からすると良い匂いがして美味しいらしいです。
多分あの喰種は極度の空腹で鼻が効き過ぎてるんだと思います。」
(今まで見逃してたのにこうなったらもう手遅れだよ?私をターゲットにしたことを悔やんでね)
私がそう言うと2人は余り理解できてないようだったが、お腹をすかしている喰種が私の説明がきっちり終わってくれるまで待ってくれるわけもく、攻撃を仕掛けてきた。