• テキストサイズ

灰色の人間

第6章 訪問







「………………なんのことですか?
………そんな覚えはないですよ」
(まさか、あの時の捜査官だなんて…。顔を見てなかったからわからなかった)


「何故、答えるまでに間があるんですかね?」


私はそう言われて表情を変えてしまった事を後悔した。





「…」
(しくじった…。顔色変えちゃった)


「その沈黙は肯定と取ってよろしいかな?」
(ようやく尻尾を出したか)



私は誤魔化す事を諦めて、降参の印として両手を軽く挙げた。



「…はあ、その通りです。」
(どーしよーかな…CCGに入る気なんて微塵も無いんだけど)



私がそうすると



「あの時はありがとうございました。」



真戸さんは私に対して深く頭を下げてお礼の言葉を述べた。



「え!いやいや!そんなに大したことしてないんで頭をあげてください!」
(あんな昔のしかも殆ど八当たりの結果みたいなのものなのに!)


私の真戸さんに対する第一印象はこんな昔のことで頭を下げる人だとは思っていなかったので慌ててしまった。



「…安部さん、あなたの力を是非見たいのですが」
(真戸さんを助けたというのは本当だったのか!……実力を見てみたい)


亜門さんが先程までの敵意から打って変わり真剣な表情で私にそう言ってきた。



「それはお断りします。
そもそもCCGに入る気はありません。」


そうはっきりと私は言い返した。


「何故ですか!
真戸さんから当時の事を少し聞きました。一瞬で喰種を殺したと。」


気が興奮してるようで早口にまくしたてられた。


「…それでもです。
私が断ってる理由は力の有る無しでいってるあわけじゃないです。
ですので私のことは諦めて帰って下さい……」



自分でそう言った後に自分の部屋の前に気配があることに気づいた。


(この気配は隣の部屋の人だ……)





/ 132ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp