第6章 訪問
「はい?私がCCG?
……私に何を期待されているか知りませんが私は至って一般人です。CCGで働くほどの力量は持っていません。
丁重にお断りいたします」
(どこからそんな話がもちあがったんだろ?
…私がCCG?ふっ 笑えない)
私はほとんど間を置かずに即答でそういった。
しかし、真戸という男は引き下がらなかった。
亜門は黙って私を見つめてくる。
「力量には問題ないとわかって言っていますよ。」
「…何を根拠にそう言っているんですか?」
私は表情をほとんど変えずにそう聞いた。
「6年前、私があなたに助けられたことがあるからですよ。」
私は意外な答えに急いで記憶を遡った。
6年前と言えば私が中1の頃の話になる。そんな頃に捜査官を助けた記憶は一つしかなかった。
それは、
線路の下で争っていた喰種と捜査官だ。
その時の捜査官はクインケが壊れていたのか素手で対峙しており、身体は辛うじで五体満足というぐらいボロボロだった。
普段の私なら捜査官が窮地に陥ってても助けたりなんかしないのだが、この時は違った。
私は両親を失ったばっかりで心にポッカリと穴が空いた様な状態だった。
何かに当らないと…私の気が狂う…
私の体は自然とその2人のところに向かい喰種の方を一瞬で斬殺していた。
殺し終わった後、私は自分の手についた血を見て我に返った。
私が殺した?
……自分の気持ちをぶつけて?
私はその場に留まる事が怖くて急いで家に向かった。
その時に後ろから呼び止める声がしていたが私はそれを無視した。