第6章 訪問
私は部屋の隅に置いてた座布団を2枚引っ張ってきて2人に座るように勧めた。
そして、キッチンからお茶をとって来て差し出した。
「どうぞ、熱いので気をつけて下さい。」
「これはありがたい」
「ありがとうございます」
2人はお礼を言いながら席に着き、お茶をすすった。
私はそんな2人を相手に気づかれないように観察していた。
(2人ともかなり強そうだな。特に白髪の人…かなりのやり手だ。)
「それで、私に何のようですか?」
「その前に自己紹介させて欲しいね。」
私はそう言った白髪の人にどうぞ、と促すように視線を投げた。
「私は真戸といいます。」
「…私は亜門といいます。」
「私のことはご存知のようですが、安部といいます。
で、私に用事とは何ですか?
…また喰種だと疑われてますか?」
「いや、それは大丈夫ですよ。以前に調査を受けた際の検査結果で人とわかっています。
私達がここに来た理由はあなたをCCGにスカウトするためですよ」
私は意外な申し出に眉間にシワを寄せた。